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精神科看護師に大切なことは?

  • 精神科看護師の魅力ややりがい
  • 精神科看護師に向いてる人向いてない人
  • 精神科の看護師を目指す人へアドバイス

をまとめました。

精神科看護師の魅力ややりがい

 

  • 飽きない

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自分と他者が違うように、一人一人違う人生観があり、関わる患者ごとのエピソードがあります。
その時々で、「どんな人なんだろう」「この人の強みはなんだろう」「自分にできることはなんだろう」と考え、行動します。
同じようなことはあっても、全くもって同じことはありません。
患者と良好なコミュニケーションを築き、ともに過ごすなかで患者の回復が感じられるところに看護師として達成感が得られ、やりがいを感じるという実際の研究結果(藤森ら,精神科看護師の感じるやりがいに関する実態調査,2017)も出ています。

  • 自分という人間を道具にできる

精神科での仕事道具は自分自身です。
自分という人間が患者に影響を与えることになりますので、これまでの自分の生き様、考え方、知識などが役に立ちます。
そのため、マンネリ化せずに常に新しいものを探究し、考え方や知識をアップデートしていく必要があります。
精神科の領域だけでなく、他の領域の知識、趣味など幅広く興味を広げていくことが大切です。

 

  • 自分を知ることができる

患者との関わりを通し、自分がどんな人間なのかを知ることができます。
自分の考え方の癖、行動パターンなど新しい学びがたくさんあります。
そして、いつどんなタイミングで自分を振り返ったのかという学びの経過こそが、患者へフィードバックできるものになります。
また、勉強したことや準備が役立ったときや自分が上達していると感じられるときにも、看護師がやりがいや充実感を感じられる(吉田,対人援助職が仕事において「やりがいを感じるとき」と「心がけていること」 ―臨床心理士と看護師の調査より―,2014)と言われています。

 

精神科看護師に向いてる人向いてない人

向いてる人

 

  • 洞察力がある人

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洞察力とは、物事を深く鋭く観察する力のことです。
看護師として、目に見えるものを観察する力も必要ですが、精神科では患者や自分自身の言動の意味を考えることが必要になります。洞察力を磨くには時間がかかりますが、言葉や行動の背景を考えようとすることができる人自分に素直になれる人が向いているかもしれません。



 

  • ストレス対処法の多い人

精神科で働いていると、こちらの気持ちまで揺さぶられて疲れてしまうことが多々あります。そのため、自分なりのストレスの対処法があり、リラックスできる方法を知っていることが大切になります。
自分が休まる方法を知っていると、仕事でのモヤモヤを発散したり自分の中で抱えることができ、また翌日も仕事に向かう意欲が続きます。

 

向いてない人

 

洞察力がない人

向いていないということがあるのかどうかはわかりませんが、自分や相手の気持ちを洞察する力がないと、苦労する可能性があります。イライラさせられるばかりで、精神科看護を面白いと思えないかもしれません。

 

勉強をしたくない人

精神科看護での道具のひとつは自分自身です。
自分の考え方の癖を知ろうとすることや、知識のアップデートを怠ることは、関わりのマンネリ化に繋がり、患者へも良い影響を与えません。
勉強すること、学ぶことを怠る人は精神科看護に限らず、良い看護を提供できない可能性があります。

 

精神科の看護師を目指す人へアドバイス

 

  • コミュニケーション技法を学ぼう

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コニュニケーションを取る中で、患者との間に信頼関係(ラポール)を築くことが大変重要です。患者が安心して自分の困りごとや体験を語れるように、安心で安全であるという場を作るよう努めなければなりません。
そのために、コミュニケーション技法を学ぶことが大切です。
コニュニケーションの方法にも様々あり、学んだからといってすぐに実践できるわけではありませんが、知識として持ちつつ実践を重ねるなかで自分のスキルとして磨いていけばよいと思います。

 

  • 自分という人を知ろう

自分を使いながら患者と向き合っていく仕事なので、自分がどういう人なのかを知っておくことが大切です。
自分を知るためには、患者との関わりを常に振り返る必要があります。
「どうしてこんなことを言ったんだろう」「伝えた言葉はこれでよかったのだろうか」など、患者との間にわき起こる自分の感情をキャッチしながら、もっと良くするにはどうしたら良いのかと考えます。
そして、事例検討会などでケース発表をします。
発表は恥ずかしさもありますし勇気も必要ですが、先輩方からのアドバイスを真摯に受け止めて、自分の関わりをより良くするよう努めていきます。

 

  • 患者の人生の苦労をお裾分けしてもらっている気持ちを忘れずに

看護師のような医療関係者は、患者との間にパターナリズムモデル(父権主義モデル)のような従属的関係がついてしまいがちです。
あまりに援助−被援助の関係性に一方的でなく、患者と一緒に隣で歩く人であることを忘れないようにしたいものです。
患者は、他人である看護師を信頼して困りごとを話してくださいます。
「信頼してくれてありがとう」という気持ちを忘れずに、困りごとを一緒に見つめて考える姿勢で接してもらいたいと思います。

 

まとめ

  • 精神科看護師の魅力は、いろんな人に出会い、学びの連続で飽きがないことです
  • 自分も相手も深く知ろうとすることのできる人はぜひ精神科で勤めてみましょう
  • これから精神科看護師を目指す人には、誘導ではなく患者の併走者であってほしいと願います